ご案内

大学生の金融知識の現状についても、現役の大学生に実際金融問題を解いてもらった結果を紹介し、若干の言及を加えました。 最後に、金融教育において企業の果たすべき役割を示すとともに、“投資”の意義について経済成長的視点から検討してみました。
金融商品に資金を投資する人を“投資家”だけではなく、“消費者”とも呼称しています。 投資家と言うと、資金的に余裕がある人という印象がありますが、現在、さまざまな金融商品を購入する人は、まさに一般消費者とも言うべき、普通の人々だからです。
サブプライム・ローン問題の発生によって、消費者の間には金融商品全般が危険なもの、あるいはなんとなく怪しいもの、胡散臭いものという見方が広まっています。 金融商品にリスクは付き物ですが、金融リスクを知らないまま避ける前に、まずは金融リスクの内容を少しでも知っていただき、資産運用に生かしていただきたいと思います。

米国発の金融危機が世界経済を混乱させている。 この問題の兆しが見え始めたのは、2006年12月に起こった米国の中小住宅ローン会社の相次ぐ経営破綻だった。
それから2年もたたない2008年9月にはニューヨーク株式市場の株価が暴落し、米国第4位の投資銀行Rの経営破綻、米国第1位の保険会社Aの経営危機など、次から次へと大手金融機関の経営問題が露わになった。 これにより株価の下落や投資信託の基準価額の下落など、「金融リスク」は一挙に個人に身近なところまで迫ってきた。
サブプライム・ローン問題に端を発した世界金融危機の背景を検証する一方、我々の身近にある金融リスクの実例を見たうえで、「金融教育」と個々人の「金融意識」を高めることの必要性について言及する。 2004年のたしか春ごろのこと、私の友人から電話がかかってきた。
会話の内容は以下のようなものであった。 「米国で最近増えているサブプライム・ローンって知ってる?」「聞いたことはないけど、何それ?」「住宅ローンなのだけれど、詳しいことはよく知らない」「サブプライムという名前が付いているくらいだから、優良ではないでしょう?何か問題でもあるの」「それを聞きたいから、電話したんだよ」恥ずかしい話であるが、その時私は、サブプライム・ローンが後に地球規模の金融危機を引き起こす原因になるとは思いもしなかった。
その電話から3年余り経過した2007年夏、一気にサブプライム・ローン問題が表面化した。

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